教育実習がつらくて、「自分だけうまくできていない」「教師に向いていないのかも」と不安になっていませんか。
教育実習では、授業準備や指導案、実習記録だけでなく、児童生徒との関係、指導教員から評価される緊張、慣れない生活による疲労など、いくつもの負担が同時に重なります。
そのため、つらさを感じること自体と、教師としての適性は分けて考えることが大切です。
この記事では、教育実習がつらくなる7つの理由を整理したうえで、完璧を目指さず負担を減らす方法や、睡眠・準備の考え方、大学へ相談したほうがよい状況まで分かりやすく解説します。
「教育実習だから耐えるしかない」と抱え込む前に、今のつらさを軽くするためにできることを一緒に確認していきましょう。
教育実習がつらいのは当たり前?「耐えるしかない」は間違い
教育実習で「毎日つらい」「自分だけうまくできていない気がする」と感じても、それだけで特別なこととは言えません。
教育実習では、授業だけでなく、実習記録や人間関係、評価への緊張など複数の負担が同時に重なることが研究でも確認されています。
ただし、教育実習はつらくて当たり前だから何でも我慢すべき、という意味ではありません。
教育実習では心身の疲れや不安を感じることがある
教育実習で疲れたり不安になったりすることは、実習という環境そのものから生じる可能性があります。
日本教育心理学会の研究では、教育実習生157名を対象に調査した結果、実習中のストレス要因が33項目、5つのカテゴリーに整理されています。
その内容は、基本的な作業や実習業務だけではなく、教員、児童生徒、実習生同士との関係まで含むものでした。
つまり教育実習のつらさは、「授業が下手だから」のような一つの理由だけで説明できるものではありません。
たとえば、朝から学校という慣れない環境で緊張し、放課後には指導案を修正し、帰宅後も実習記録を書くという日が続けば、スマートフォンの充電を何日も継ぎ足しだけで使っているように、少しずつ疲労が蓄積していきます。
大阪教育大学の研究でも、教育実習では身体面と精神面の両方に負荷がかかり、実習最終日に疲労が大きくなる傾向が確認されています。
実習の後半になって急につらく感じても、「慣れたはずなのに弱くなった」と考える必要はありません。
| 教育実習で生じやすい負担 | 具体的な場面 |
|---|---|
| 作業の負担 | 実習記録、指導案、教材研究、授業準備など |
| 授業への不安 | 説明できるか、時間内に進められるか、生徒が理解できるかなど |
| 人間関係の負担 | 指導教員、児童生徒、ほかの実習生との関係 |
| 生活面の負担 | 普段とは異なる生活リズム、緊張、疲労の蓄積など |
2026年7月に日本女子大学教職総合センターが公開した解説でも、教育実習は普段とは異なる生活となるため、心身に大きな負担がかかり、少なからぬ学生にとってしんどいものになり得ると説明されています。
詳しく確認したい場合は、日本女子大学教職総合センターの解説や、教育実習生のストレスに関する研究も参考になります。
「つらい=教師に向いていない」とは限らない
教育実習中につらさを感じているからといって、それだけで教師への適性がないとは判断できません。
教育実習に関する研究では、授業や指導への不安、児童生徒との関係への不安、身体状態への不安などが確認されています。
さらに、教育実習の前後を比較した研究では、調査された不安が実習後に低下したことも報告されています。
これは、実習中に感じる強い不安のすべてが、そのまま将来の教師としての適性を表しているわけではないことを考える材料になります。
初めて車を運転した日に余裕がなくても、それだけで「運転に向いていない」とは決められないのと似ています。
教育実習も、これまで学生として見ていた学校を、初めて「教える側」から経験する場です。
授業が予定どおり進まなかったり、指導教員から修正を求められたりして戸惑うこと自体は不思議ではありません。
一度の失敗や注意を受けた経験だけで、「教師に向いていない」と結論づけないことが大切です。
失敗経験と実習効力感を調べた研究でも、失敗そのものだけではなく、その失敗をどう受け止めるかとの関連が検討されています。
「授業で発問がうまく伝わらなかった」という出来事と、「自分は教師になれない」という評価は同じものではありません。
前者は次の授業で修正できる具体的な課題ですが、後者は一つの出来事から自分全体を評価している状態です。
教育実習でつらいと感じたときは、まず「自分の適性」ではなく、「今どんな負担が大きくなっているのか」を切り分けて考えてみてください。
なお、ここでいう「つらさを感じることがある」と、「どんな状況でも耐える必要がある」はまったく別の話です。
人格を否定するような言動やハラスメント、教育的な必要性を欠く過度な負担まで、「教育実習だから仕方ない」と受け入れる必要はありません。
教育実習がつらい7つの理由
教育実習がつらくなる背景には、一つではなく複数の理由が重なっていることが少なくありません。
特に大きいのが、授業や提出物に追われる作業面の負担と、人間関係や評価にさらされる心理面の負担です。
「何となく全部つらい」と感じるときほど、原因を分解すると対処できる部分が見えやすくなります。
| 理由 | つらさにつながりやすいこと |
|---|---|
| 1. 普段と違う生活と緊張 | 早い登校、慣れない環境、常に見られているような緊張が続く |
| 2. 授業準備や記録の多さ | 教材研究、指導案、実習記録など複数の作業が重なる |
| 3. 授業への不安 | 説明や発問、時間配分、児童生徒の反応が気になる |
| 4. 児童生徒との関係 | 距離感や声のかけ方が分からず、自信を失いやすい |
| 5. 指導教員との関係と評価 | 注意や評価を意識し、必要以上に緊張することがある |
| 6. 失敗を自分の適性と結びつける | 一度の失敗から「教師に向いていない」と考えてしまう |
| 7. 相談や休息をためらう | 評価への不安から「我慢したほうがいい」と考えやすい |
授業準備・指導案・実習記録と「うまく授業できるか」という不安
教育実習のつらさで大きな割合を占めやすいのが、授業そのものと、その前後に発生する作業です。
授業を一つ行うだけでも、教材を調べ、目標を考え、授業の流れを組み、必要な資料を準備しなければなりません。
さらに実習中は、それとは別に実習記録や観察記録などを書く場合があります。
愛知大学が公開している教育実習記録の様式には、週ごとの日程表、日報、観察・参加記録、指導・講話の記録、実習全般の振り返りなど複数の項目があります。
大学や実習校によって様式は異なりますが、授業を終えれば一日の仕事も終わる、というわけではないことが分かります。
静岡大学の案内でも、教育実習に関連するものとして、教材準備、実習録、授業準備、担当教諭との連絡などが挙げられています。
こうした作業が重なると、「授業の準備が終わらないから寝られない」「記録を書いていたら夜になった」という状況になりやすくなります。
しかも、作業量だけが問題ではありません。
教育実習不安を調べた研究では、専門的な授業や指導に関する不安が一つの要因として確認されています。
つまり、「やることが多い」という負担と、「その授業を成功させなければならない」という心理的な負担が同時にかかるわけです。
たとえば指導案を作り終えても、「この発問で伝わるかな」「時間が余ったらどうしよう」と頭の中で授業を何度もやり直してしまうことがあります。
これは、荷物が重いだけではなく、その荷物を落とさないようずっと緊張して運んでいるような状態です。
授業を完璧に成功させることだけを目標にすると、作業量以上に精神的な負担が大きくなることがあります。
教育実習は、すでに完成した教師として成果を見せるだけの場ではなく、実際の指導を経験しながら学ぶ場でもあります。
一回の授業で何もかも完璧にしようとするより、「前回より板書を見やすくする」「発問を一つ短くする」など、直す部分を具体化するほうが現実的です。
教育実習前の自主的な学習と自己効力感との関連を調べた研究では、事前の学習が、とくに授業マネジメントに関する自己効力感に影響していたことも報告されています。
実習が始まる前なら、教科書を読む、扱いそうな単元を整理するなど、できる範囲で準備しておくことも負担を減らす一つの方法です。
児童生徒・指導教員との関係、評価へのプレッシャー、生活リズムの変化
教育実習がつらい理由は、授業準備だけではありません。
児童生徒との距離感、指導教員との関係、評価される立場への緊張も大きな負担になり得ます。
教育実習不安に関する研究では、児童生徒との社会的な関わりも、不安を構成する要素の一つとして確認されています。
教室に入った初日から児童生徒全員と自然に話せるとは限りません。
名前を覚えられなかったり、話しかけても会話が続かなかったりすると、「教師なのに関係を作れない」と落ち込むこともあります。
しかし、実習生はその学校に入ったばかりで、児童生徒から見てもまだ「よく知らない人」です。
最初から理想的な関係を作れないことと、児童生徒と関係を築く力がないことは別です。
まずは名前を覚える、挨拶をする、休み時間に短く話すなど、小さな接点を増やしていくほうが現実的です。
もう一つ見落としやすいのが、指導教員との関係です。
教育実習生のストレスを調べた研究では、教員との関係も独立したストレス要因として整理されています。
教育実習では指導教員から授業について助言や修正を受けるため、「注意されたくない」「評価を下げられたくない」という気持ちが生まれることがあります。
文部科学省も、実習校の指導教員が実習生の評価に関わるという立場の違いから、学生が不利益を心配して相談をためらう可能性があることを踏まえ、大学側に相談体制の整備を求めています。
文部科学省の通知は、教育実習等におけるハラスメントの防止及びその適切な対応等についてで確認できます。
評価が気になるからといって、つらさや体調不良まで黙って我慢し続ける必要はありません。
さらに、普段とは違う生活リズムも負担を大きくします。
朝早く学校へ向かい、授業中は緊張し、放課後も準備や記録を行う生活が続けば、本人が思っている以上に疲れが蓄積することがあります。
2024年の幼稚園教育実習に関する研究では、実習期間中に「不満に思っても常に我慢する」といった抑制的な行動が増えたことも報告されています。
「ほかの実習生も頑張っているから」「評価が下がったら困るから」と自分の負担を小さく見積もると、相談や休息のタイミングを逃しやすくなります。
教育実習がつらいときは、「自分が弱いから」とまとめるのではなく、作業量、授業への不安、人間関係、評価、疲労のどこが一番重いのかを分けて考えることが、負担を軽くする第一歩です。
教育実習がつらいときに心と負担を軽くする対処法
教育実習がつらいときは、すべてを完璧にこなそうとするより、負担を小さく分けて一つずつ対処することが大切です。
特に意識したいのは、「今日直すこと」を絞ること、準備を早めに進めること、睡眠を削り続けないこと、そして困った段階で相談することです。
つらさを軽くするコツは、気合を増やすことではなく、自分が抱えている負担を減らす方向へ動くことです。
| つらい状態 | まず試したい対処 |
|---|---|
| 授業の失敗が頭から離れない | 次回直すポイントを1つに絞る |
| 指導案や教材準備に追われている | 優先順位をつけ、早めに方向性を確認する |
| 児童生徒とうまく話せない | 名前を覚える、挨拶するなど小さな行動から始める |
| 夜遅くまで作業が続いている | 睡眠時間を確保できるよう作業範囲を見直す |
| 一人では判断できない | 指導教員や大学の教育実習担当へ相談する |
完璧を目指さず「今日直す1点」に絞る
教育実習中の失敗を減らしたいときほど、すべてを一度に直そうとしないことが重要です。
授業後に指導を受けると、「板書も発問も時間配分も全部ダメだった」と感じてしまうことがあります。
しかし、改善点が5つあったからといって、翌日の授業ですべてを完璧に変える必要はありません。
たとえば、「今日は発問を短くする」「今日は児童生徒を見る時間を増やす」のように、一番直したい行動を1つ決めるだけでも十分です。
これは、散らかった部屋を一晩で全部片づけようとせず、まず机の上だけを片づけるような考え方です。
一つ終われば、次に進めます。
教育実習中の失敗経験を調べた研究では、失敗そのものだけでなく、失敗をどのように捉えるかと実習効力感との関連も検討されています。
そのため、「授業で失敗した」という事実と、「自分は教師に向いていない」という自己評価は分けて考えたほうがよいでしょう。
「うまくできなかった」を「自分はダメだ」に変換してしまうと、次に直せる具体的なポイントが見えにくくなります。
たとえば、児童生徒の反応が薄かった場合も、「授業の才能がない」と考えるより、「発問が長かったかもしれない」と行動のレベルまで小さく分解します。
すると、次の授業で試すことが見えてきます。
教育実習不安について調べた研究では、実習前後を比較した結果、調査された不安が実習後に低下したことも報告されています。
今感じている強い不安だけで、将来の適性まで決める必要はありません。
一日の終わりには、「できなかったこと」だけではなく、「昨日よりできたこと」を一つ書いておくのもおすすめです。
「生徒の名前を3人覚えた」「板書を昨日より整理できた」のような小さな変化で構いません。
教育実習では、完璧な一日を作るより、昨日より一つ改善できた一日を積み重ねるほうが現実的です。
準備を前倒しし、睡眠と早めの相談を優先する
教育実習中の負担を軽くするには、「今日の夜に全部やる」という状態をできるだけ減らすことが大切です。
大阪教育大学の研究では、実習前の準備や教材研究が疲労の軽減につながる可能性が示されています。
また、教育実習生667名を対象とした研究では、事前の自主的な学習活動が教育実習に対する自己効力感、とくに授業マネジメントに関する自己効力感に影響していたことが報告されています。
実習前であれば、担当しそうな単元の教科書を読む、教材を集める、授業の流れを考えるなど、できることから始めておくとよいでしょう。
すでに実習中の場合は、その日の仕事を「明日までに必要なもの」「早めに確認したいもの」「後でも整理できるもの」に分ける方法があります。
| 優先度 | 考え方 | 例 |
|---|---|---|
| 高い | 翌日の実習に直接必要 | 授業で使用する教材、提出期限が迫った指導案 |
| 早めに確認 | 方向性が違うと大きなやり直しになる | 授業展開、教材の選び方、発問の方向性 |
| 後でも整理可能 | 今夜すべてを完成させなくてもよい可能性がある | 振り返りの整理など |
実際の提出期限や記録方法は大学や実習校によって異なるため、分からないものは自己判断せず確認してください。
特に避けたいのが、分からないまま何時間も指導案を作り込み、翌日に方向性から修正することです。
「この流れで作って大丈夫でしょうか」と早めに確認できれば、大きな作り直しを防げる可能性があります。
相談は、完成してからするものではなく、迷った段階でするものと考えて構いません。
そして、準備と同じくらい大切なのが睡眠です。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は個人差を踏まえながら、6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することが推奨されています。
指導案を仕上げるために毎日のように睡眠を大幅に削る状態は、長く続ける前提にしないほうがよいでしょう。
睡眠不足のまま学校へ行けば、集中力が落ちたり、授業中に余裕を失ったりする可能性があります。
資料をあと1ページきれいに仕上げることより、翌日に落ち着いて授業へ向かえる状態を残すほうが重要な場合もあります。
睡眠については、厚生労働省の睡眠ガイドに関する資料や、こころの耳の睡眠に関する解説でも確認できます。
「全部終わるまで寝ない」ではなく、「明日必要なことを優先し、分からないことは確認し、睡眠を残す」という考え方に切り替えてみてください。
「もう教育実習に行けない」ほどつらいときは大学に相談する
教育実習が「大変だな」という範囲を超え、「もう学校へ行けない」と感じるほどつらくなった場合は、一人で耐え続ける必要はありません。
特に、睡眠や食事、授業準備、登校など普段の行動に支障が出ている場合や、指導教員との関係そのものが悩みになっている場合は、大学側へ早めに相談することが重要です。
教育実習は実習生と実習校だけで完結するものではなく、大学が実施する授業科目でもあるため、継続が難しいときは大学に相談して構いません。
| 状況 | 相談先として考えられる場所 |
|---|---|
| 実習そのものを続けるのが難しい | 大学の教育実習担当、教職センターなど |
| 指導教員との関係に悩んでいる | 大学の教育実習担当、教職センター、ハラスメント相談窓口など |
| 心身の状態がつらい | 学生相談室、健康支援センター、保健管理関係の窓口など |
| 人格否定や威圧的な言動などがある | 大学のハラスメント相談窓口、教育実習担当など |
窓口の名称や連絡方法は大学ごとに異なるため、自分の大学の教育実習手引きや公式サイトを確認してください。
指導教員以外の相談先と、相談したほうがよい状態の目安
教育実習で困ったとき、相談相手は実習校の指導教員だけではありません。
文部科学省は大学に対し、教育実習中に不適切な事案が発生した場合、学生が直ちに相談できる窓口や連絡体制を事前に周知するよう求めています。
実際に愛知教育大学では、教育実習に関する相談先のほか、健康支援、学生相談、ハラスメント相談など複数の窓口が案内されています。
指導教員との関係そのものが悩みになっている場合は、指導教員本人だけで解決しようとしなくても構いません。
大学の教育実習担当や教職センターなど、実習校の外にいる人へ相談する選択肢があります。
では、どのくらいつらくなったら相談すればよいのでしょうか。
全国共通の明確な数値基準は確認できませんが、「まだ我慢できるか」だけで判断するより、日常の行動に支障が出ているかを見ると判断しやすくなります。
- 睡眠を十分に取れない日が続いている
- 食事を取る余裕がなくなっている
- 授業準備に手がつかないほどつらい
- 学校へ向かおうとすると強い苦痛を感じる
- 指導教員へ話すこと自体が怖く、必要な相談ができない
- 自分一人では実習を続けるか判断できない
こうした状態がある場合は、「もっと悪くなってから」と考えず、大学側に状況を伝えることを検討してください。
無断で実習へ行かなくなる前に、継続が難しいことをできるだけ早く大学の教育実習担当へ連絡することが大切です。
文部科学省は、教育実習について大学が実施する授業科目であり、単位認定も最終的に大学等の責任で行われることを示しています。
そのため、実習を休むか、続けるか、中止するかを実習生だけで決めてしまうのではなく、大学と相談しながら対応を確認する必要があります。
「もう行けない」と感じたときは、頑張り方を考える前に、まず大学へ状況を共有することを優先してください。
ハラスメントや明らかに過剰な負担まで我慢する必要はない
教育実習では指導を受けたり、厳しい指摘を受けたりすることがありますが、どのような扱いでも「実習だから仕方ない」と受け入れる必要はありません。
文部科学省は、教育実習等におけるセクシュアルハラスメントやパワーハラスメントなどへの対応について、大学側に相談体制の整備を求めています。
さらに、相談した学生のプライバシーを保護することや、相談したことを理由に評価上の不利益を受けないようにすることも求めています。
これは、実習生が評価される立場にあるため、「相談したら評価を下げられるのでは」と不安になりやすい状況を前提としたものです。
人格を否定する言動、威圧的な扱い、性的な言動などが疑われる場合は、「自分が我慢すればいい」と抱え込まないでください。
また、長時間の実習についても注意が必要です。
文部科学省は、緊急時などを除き、所定の時間数を上回る教育実習が行われないよう、大学が実習校や教育委員会と調整することを求めています。
つまり、「教育実習なのだから長時間やればやるほどよい」という制度ではありません。
2026年7月に日本女子大学教職総合センターが公開した解説でも、教育実習のしんどさを学生個人の問題だけに帰し、教育的な必要性を欠く負担まで耐えさせる考え方には慎重であるべきだと説明されています。
| 指導として考えられること | 大学へ相談を検討したいこと |
|---|---|
| 授業内容や指導案について具体的な修正を求められる | 人格そのものを否定するような言葉が続く |
| 改善点を具体的に指摘される | 威圧やハラスメントが疑われる言動がある |
| 実習に必要な範囲で指導を受ける | 教育的な必要性が分からない過剰な負担が続く |
実際の状況がどちらに当たるのか判断できない場合も、相談して構いません。
「ハラスメントだと断定できてから相談する」のではなく、「この状況をどう考えればよいか分からない」と大学側へ伝える方法もあります。
なお、教育実習を欠席した場合の扱い、実習中止や再実習の可否、単位認定の条件については大学ごとに異なります。
「1日休んだら必ず単位を落とす」「一度欠席したら必ず実習中止になる」といった全国一律のルールは確認できないため、自分の大学へ直接確認してください。
教育実習で求められる努力と、不当な扱いに耐えることは別です。
まとめ|教育実習がつらいときは一人で耐え続けなくていい
教育実習がつらいと感じても、それだけで教師に向いていないと判断する必要はありません。
授業準備や指導案、人間関係、評価への緊張、生活リズムの変化など、複数の負担が重なれば心身が疲れるのは不自然なことではありません。
大切なのは、「耐えられるか」ではなく、「何がつらいのか」「減らせる負担はないか」「誰に相談できるか」を考えることです。
| つらさの原因 | まず考えたいこと |
|---|---|
| 授業や失敗への不安 | 次に直すポイントを1つに絞る |
| 準備や記録の多さ | 優先順位をつけ、分からないことは早めに確認する |
| 睡眠不足や疲労 | 作業範囲を見直し、必要な睡眠時間を確保する |
| 指導教員との関係 | 一人で抱えず、大学の教育実習担当などへ相談する |
| 不適切な言動や過剰な負担 | 「実習だから」と我慢せず大学の窓口へ状況を伝える |
授業で失敗した日は、「もう教師には向いていない」と感じるかもしれません。
しかし、うまくできなかった授業と、教師としての将来の適性は同じものではありません。
教育実習は、完成した教師として評価されるだけの時間ではなく、実際の学校で学びながら改善していく経験でもあります。
できなかったことを一度に全部直そうとせず、「明日は発問を短くする」のように具体的な一歩へ変えてみてください。
準備が終わらず毎日睡眠を削っているなら、仕事の優先順位を見直し、必要に応じて指導教員へ早めに確認することも大切です。
そして、心身に支障が出ている場合や、不適切な言動、明らかに過剰な負担がある場合まで一人で我慢する必要はありません。
指導教員本人へ相談しにくいときは、大学の教育実習担当、教職センター、学生相談、ハラスメント相談など、実習校の外にある窓口を頼る方法があります。
教育実習の欠席や中止、再実習、単位認定などの条件は大学によって異なるため、継続が難しいと感じたときは自己判断で結論を出さず、自分の大学へ確認してください。
教育実習がつらいときに必要なのは、限界まで耐えることではなく、負担を小さくしながら必要な助けを借りることです。


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